2011年2月10日木曜日

公開鍵暗号方式とCA (認証局)

公開鍵暗号方式と認証局を学ぶ前に、以下の課題に取り組んでみましょう。
『公開鍵暗号の問題点と認証局でどう解決するのか』が理解できることでしょう。

課題:
公開鍵暗号はペアになった秘密鍵と公開鍵を使う暗号方式です。

以下の問題を解いてください。
(1) 共通鍵暗号を運用するときに予想される困難はなにか?
(2) その困難は公開鍵暗号を使うことでどのように解決できるか?
(3) 公開鍵暗号を運用するときにどのような問題点が発生しうるか?


単語の確認:
・共通鍵暗号方式
        暗号化と復号に同じ鍵を利用する暗号方式のこと
       
・公開鍵暗号方式
        公開鍵と秘密鍵の2つで1組となるペア鍵を使って、暗号化と復号を行う暗号方式


模範解答:
(1) 共通鍵暗号を運用するときに予想される困難はなにか?
・送信に先立って秘密鍵を安全に交換する手段が必要となる
        (理由)共通鍵は、暗号鍵と復号鍵が同一であるという特性から

・共通鍵の特性から、多くの鍵の種類が必要となる → 鍵の管理が困難
        (理由)暗号の文書のやり取りをする人の数だけ鍵が必要だから

(2) その困難は公開鍵暗号を使うことでどのように解決できるか?
・公開鍵から秘密鍵の作成が不可能という特性から、安心して公開鍵を公開することができる

・公開鍵は必要なときに入手できるので、秘密鍵の1つ、もしくは、ペア鍵の2つを管理すればよい
        →鍵の管理が容易になる

(3) 公開鍵暗号を運用するときにどのような問題点が発生しうるか?
・正しい公開鍵を手に入れているのかを判断するのが不可能
        →悪意ある第三者が、偽った公開鍵を公開している可能性がある


認証局 (CA : Certificate Authority) :
(3)の問題を解決してくれる役割を果たしているのが認証局です。

自分の公開鍵の正当性を証明するため、信頼のおける第三者機関である認証局に、公開鍵の正当性を証明してくれる証明書を発行してもらいます。もちろん、証明書を発行する前に本人であるかの審査はきちんとしています。

認証局(CA)が証明書を発行することで、公開鍵の正当性を証明する仕組みをPKI (Public Key Infrastructure : 公開鍵基盤)といいます。

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