ここ1週間に読んだ本です。
ぼくは、初めて辻仁成さんの作品を読みました。
勧められたわけではなく、書店でふとひきつけられた本です。
『サヨナライツカ』は、結婚を控えた主人公 ”東垣内豊” が、バンコクで美女・沓子と出会い、激しい恋に溺れていくお話です。迷いの中、豊は誠実な光子との結婚を選択し、二人は愛の最中、離ればなれとなる。しかし25年後二人は再び出会うことになります。愛しているのに別れを決意した二人の熱い恋の物語です。
『愛のあとにくるもの』は、小説家を目指す潤吾が失恋の痛手のなか、韓国の留学生・チェホンと出会い、真実の愛に気付くお話です。愛し合う二人の小さな行き違いが、気付かぬうちに大きな隔たりとなり、やがて決別をする。しかし、7年の時を経て、二人は奇跡の再会を果たします。あの時、愛する人にどんな言葉をかければよかったのだろうか、そんな悩みをもつ人にお薦めの恋の物語です。
初めて辻仁成さんの作品を読ませていただきました。愛し合う二人が別れて、時を経て再会を果たす、という内容ですが、僕が魅かれたのはその内容よりも優しく甘い言葉遣いでした。愛の表現が非常に豊かだな、と感じました。美しい言葉に出会うとほめずにはいられません。
『サヨナライツカ』『愛のあとにくるもの』の主人公が愛する女性は、みな個性的です。美しい心を持ち、大胆で、負けず嫌いです。そして一途です。この小説で繰り返し表現されている、愛されるより愛することの大切さ、ひしひしと伝わります。
僕の見解ですが、愛を肯定的にとらえる人は輝いてみえます。真摯な態度で恋人に接する姿は同性からしても魅力的です。しかし、実行は言葉以上に難しいものです。相手を気遣える優しさがあの日僕にあれば・・・と、自分の経験を噛み締めながら読んだ本でした。
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