2011年7月18日月曜日

『ウォール・ストリート』 オリバー・ストーン監督

80年代のヒット作『ウォール街』の続編です。前作と同じくオリバー・ストーン監督とマイケル・ダグラス主演のコンビで実現させた作品です。新しくキャリー・マリガン(ウィニー・ゲッコー役)とシャイア・ラブーフ(ジェイコブ・ムーア役)の若きスターも加わり、金融界を取り巻くマネーゲームをスリリングに描いています。

今回の舞台は、リーマンショック後のウォール街です。リーマンショックとは、実際に2008年に起こったサブプライムローン問題を発端に、リーマン・ブラザーズ証券が破産し、世界的な金融危機の引き金となったことに照らして呼ぶ表現です。

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■あらすじ
ウォール街で働くジェイコブ・ムーアが勤務するKZI社の株が急暴落。ジェイコブが父のように慕っていた経営者ルイスが自殺する。株急落の原因が、投資銀行経営者ブレトンの陰謀によるものだと知ったジェイコブはブレトンへの復讐を決心する。

当時ジェイコブの恋人の父は、インサイダー取引の罪で懲役の経歴をもつゴードン・ゲッコー。ジェイコブはゴードンに、株暴落の黒幕ブレトンに対する復讐のサポートの取引をもちかける。

■感想
『ウォール・ストリート』は、前半は金融や株がらみのマネーゲームから始まり、後半は家族・恋人といったお金以外の要素が展開されます。お金に振り回されながらも、本当の幸福とは何か、お金が人を幸せにするのか、といった登場人物の葛藤が描かれています。

ストーリ展開に賛否両論がありますが、僕としては作品全体がお金が全て、といった単調な展開でなくて良かったです。シリアスなマネーゲームに没入しながらも恋愛や家族関係で悩む主人公たちの存在が、あの作品をより複雑にしたと感じます。監督の狙い通りではないでしょうか。

お金のために娘との関係を切ったゴードンがラストシーンで、孫のためにもう一度関係をやり直したい、と言い寄るシーンは、様々な捉え方ができるでしょう。僕は、お金にまさる情がある、よりは、お金があるから情が生まれた、と捉えます。つまるとこ、ゴードンはマネーゲームに身を投じたからこそ、お金以外に優先すべきことを整理できたのだと思います。

まだ、前作の『ウォール街』を見ていないので、その作品を通してゴードンの生き方、お金に対する考え方を見ていきます。

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