2011年7月9日土曜日

『数学嫌いな人のための数学』 小室直樹

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日本人は討論を好まない、と言われています。『口で言うより手のほうが早い』という喧嘩法が尊ばれ、『口達者の仕事下手』ということわざがあるように、討論を重用視していない傾向があります。討論とは、論理の技術であるわけで、討論のないところでは、論理学が発達するはずがありません。ゆえに日本人は、論理思考が弱いと、言われています。

では隣の国、中国はどうでしょうか。中国人は、論争・討論・説得に極めて重きを置いています。戦国時代に、君主を説得させ、卓説を進言し、国の勝利に導く、というのは三国志でもお馴染みの話です。口達者であればそれだけ出世のチャンスが増えるわけです。

日本人と中国人の論理の差が、両国に誤解をもたらし、仲違いの原因になったのではないか、と本書で紹介されています。日本人は、論理無視・論理蹂躙を繰り返し、他国から不信の念を抱かせるのです。論理を知らないことによる日本人の損失は計り知れません。


先にいっておくと、本書は、数学の苦手な人に数学を教えるといったものではありません。数学を使って、どのように論理を展開させていくか、数学が与える影響について、が書かれています。資本主義社会を生き抜くためには、数学の理解が不可欠であることを説き、その仕組みを分かりやすく説明しています。

僕は、経済学に興味がわかなくて、後半は読むのがつらかったですが・・・。それでも数学が好きな方には是非おすすめします。数学についての書かれた話題も数多くあり、歴史の様々な事柄が数学と結びついていく話の展開は非常に面白かったです。

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