ここ最近、東野圭吾さんの小説にはまっています。
今回読んだ本は、『むかし僕が死んだ家』。
登場人物は、名もなき主人公と、幼い頃の記憶がない元恋人・沙也加の二人だけ。
主人公の視点から描かれた作品になっています。
沙也加の幼い頃の記憶を取り戻すため、山の中にひそむ小さな家へ二人は訪れます。
その家の中にひそむ数々の伏線が、最終的にある真実に導きます。
この小説は、登場人物が二人だけ・山中の家の中だけ・2日間だけの出来事と、制約だらけです。
家の中にある手がかりや、会話のひとつひとつが、すべてがある真実にたどりつくための伏線になっています。
なにげなく読んでいた場面・セリフ全てが連続して絡み合っていたんだ、と気付いたときには唖然としました。
『虐待』をテーマとして書かれているだけあって、読み終えた後のすっきりというのはないです。
誰かが幸せになった、というのはありません。
ただ、これがミステリー小説であるという点から、一つ一つの事象から結論にたどりつく過程が論理的であったので、非常に満足しています。
東野圭吾さんは理系出身であったため、文章も歯切れが良く、ストーリは論理的に展開されます。
理系の人が読んでも面白い小説に分類されると思います。
お薦めします。
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