業務に必要な情報システムを、円滑に運用・管理する”縁の下の力持ち”的な存在です。
最近の話題として、みずほ銀行がシステム障害の影響でATMが停止し深刻な問題になった、ことがあります。
ATMのように動いて当然と思われているシステムに不具合が発生することは、企業として価値を下げることにも繋がります。
そのため、ネット上に社内システムを接続している組織では、システムの障害を起こさないためにも、または障害が起きたときに迅速に対応するためにも、部署や人材としてシステム管理者を確保しています。
システムは動いて当然という認識がある以上、システム管理者の重要性は高いといえるでしょう。
著書『システム管理者の眠れない夜』では、システムを円滑に運営していくため休日を返上して働き続けるシステム管理者の姿が描かれています。
10年も前に出版された本だけあって、低スペックPCの扱いや、PCの使い方を全く知らないユーザの存在など今では考えられないことも書かれていますが、内容自体は今でも十分通じるし理解できます。
印象に残ったこととしては、下のようなことです。
- 思いもよらないことをしでかす一般ユーザの存在
- PCに関して詳しい人が引き起こすシステム障害
- 2000年問題への対応
■思いもよらないことをしでかす一般ユーザの存在
著書のほとんどの内容が、一般ユーザの信じられない行動により引き起こされるシステム管理者の休日出勤です。
一部を取り上げると、
・サーバからケーブルを引き抜き、そのまま放置
・無防備な場所に勝手にフォルダを作成して、ウイルスの格好のまとに
こういったことからシステム障害・情報漏洩に繋がるんだろうな、システム管理者の苦悩が伺えます。
PCに詳しくない人でも、職場に1人1台のPCが与えられる時代です。
システム管理者は、思わぬハプニングにも対処していく必要があるんですね・・・。
■PCに関して詳しい人が引き起こすシステム障害
PCに詳しいことはシステム管理者の業務の手助けをすることもあるので、貴重な存在である、と著者は言っています。
しかし、PCになまじ詳しいがゆえに、システム管理者を困らすこともあります。
具体的に、会社のPCを勝手に分解してメモリの増設をしたり、ソフトウェアをインストールすることで、引き起こされたトラブルなどです。
会社で扱うPCである以上、自宅のPCと同じ扱いをしてはいけません。
インストールしていいソフトウェアは決められているはずです。
会社のPCを分解するなんてもってのほかです。
■2000年問題
何の問題もなく過ぎ去った2000年問題。
どこの企業でも、システム障害があってはまずいと、様々な対策がなされていました。
システム管理者である著書は、2000年1月1日、もちろん休日出勤をしています。
2000年問題に対する対策、振り回される人々の姿がふんだんに書かれています。
とても面白い内容でした。
様々なシステム管理者から話を聞きたいです。
・実際に起こるのか見当もつかない問題に対して、どう予算が割り当てられたのか。
・もしシステムがストップしたら、どのような対策を考えていたのか。
・無事に乗り越えた後、何を思ったのか。
次、似たようなことが起こるのは、2038年問題ではないでしょうか。
気が早いと思うかもしれませんが、ちょうど今の世代が担当する問題に思えて仕方ありません。
そのときの参考になればと思います。
最後に、著者は『システム管理者になるのはお薦めしない』『ITは人を幸福にしない』といっていますが、とても楽しそうにシステムの管理をしている、と感じました。
著書を読んで、システム管理者やってみたいかも、と思う自分がいました。
もっともっと詳しくなりたい。知識にどん欲でいたい。
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